旅の途中



The Blue Sweater - Jacquelin Novogratz


a0158818_224433.jpg遅ればせながら話題になったAcumen Fund創設者の自伝を読む。雑感。

*マーケットが貧困を削減する?
一貫して市場の機能を強調。一つはパブリックサービスを貧困層に効果的・効率的・持続的に届く仕組みを作るのはチャリティではなくマーケットだ、という主張。もうひとつはアカウンタビリティの問題。従来型の援助では市場が持つようなフィードバック機能が働かず、結果として現地のニーズをくみ取れず失敗に終わるケースが多かった。印象的な例はルワンダでアメリカのNGOが女性グループの自立支援プログラムの資金援助をしていたケース。月に650ドルの援助資金を受けているにも関わらず、女性たちの従事しているビジネスの非効率性から20人のメンバーが一人1日当たり50セントしか受け取れない状況。単純に650ドルを20人に配れば収入は倍以上になる。ビジネスとして成立するようにならないと、外部からの援助から永遠に自立出来ない。for-profitの投資ではありえないことだが、チャリティの世界ではフィードバック機能が働かずこういった無駄な援助が放置されてしまう。

効率的なリソースの配分と持続性の担保と言う意味ではマーケットは大事。同時に市場の機能が内包する競争とその結果起こる不公平性を補完する軸が必要。伝統的にはそこが政府の出番だが、ここ数十年の傾向はここがNGOの出番。Acumen FundのPatient Capitalという投資とチャリティの中間ぐらいに位置する資金援助の概念もこういった文脈にフィットする。

*現地の起業家を支援
パッケージ化された開発プロジェクトを持ち込み現地のコミュニティに押し付けるのではなく、既に小さな規模で成功しているビジネスの種=起業家をサポートする。短期のプロジェクト実施ではなく、長期の組織支援。ここは非常に納得。現地の人々が考え、作り、長い時間をかけて育てていかないと社会の変化は起こらない。

*特権について
ジャクリーン個人の内的葛藤として繰り返し語られるのがアメリカ人として生まれ育った特権について。開発の世界に興味を持ってからずっと疼いているテーマでもあり改めて考えさせられる。恵まれた環境で生きてきた自分に一体何が出来るのか?「援助」なんてする権利や正当性があるのか?そもそも本当の意味でに貧しい人たちの声を理解することなんて出来るのか?自分の個人としての生活、人生とどう折り合いをつけるのか?そのギャップをどう咀嚼し、正当化するのか?80年代のアフリカという最貧困国で開発援助に充実する先進国エリート達の優雅な駐在生活。黒人の若い活動家から、「あなたは白人で恵まれた人生を送ってきて、安定した組織からの後ろ盾もあるのだから私たちのリーダーは務まらない」と指摘された時の困惑。
人間はみんな一緒、とも、多様性が素晴らしい、ともそう簡単に片づけられる問題ではない。

一方でジャクリーンのメッセージは力強い。「他人は違う、彼らは貧困の中でも幸せに生きている、と装うのは簡単だ。だけど私たちは心から他に耳を傾ける勇気を持たなければならない。そして他に対する偏見を再認識するのではないやり方で新しい人々と接し続けなければならない。」

印象に残ったフレーズをいくつか・・・
"more than any academic subject, judgement, empathy, focus, patience, and courage shoud be studied and cultivated. As our world gets more complex, smart and skilled generalists who know how to listen to many perspectives across multiple disciplines will become more critical than ever"

"the psycology of poverty is so complex. It is soo often the people who know the greatest suffering-the poor and most vulnerable-who are the most rsilient. That same resilience, however, can manifest itself in passivity, fatalism, and a resignation to the difficulties of life that allows injustice and inequality to strenghthen, grow, and solidify into a system where people forget to question"

"I am a part of all that I have met, and they-all one of them, good or bad- are a part of me."

"to be truly effective especially internationally, you must root yourself more strongly in your home's own soil. Only by knowing ourselves can we truly understand others-and knowing from where you come is an important part of knowing who you are"

"you should focus on being more interested than interesting"
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by nanacorico0706 | 2010-04-04 03:39 | 読書
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2年間の米国留学生活をゆるゆると綴ります・・・
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