旅の途中



社会学を勉強しています


勉強、と言ってもそんな大袈裟なものでもなく、本を読んでいるだけなのだけど、あえて「これは勉強だ」、と決めた。暇つぶしに本を読む、という姿勢ではなく学習モードで本を読んでちゃんと文章に残す、と決めたのだ。

留学中の2年間は勉強ばっかり。帰国して社会の荒波に戻るにあたって、あの2年間の知的興奮状態をどうにか実社会の忙しい毎日でも維持したかった。机上で空論をこねくり回しながらも、きちんと眼前の社会でもがく、ということをやっていきたい。議事録とか稟議とか根回しとかに愛情こめつつ、理想とは何ぞや、ということを考えるスペースを脳内に確保したい。というのが目標。

「民が民を支える社会を作る」、とか「ビジネスを通した社会課題の解決」、という仕事上の旗印はあれど、現実には社会を構成する一つの組織体の中の一人の非力な人間として小さな小さな積み木の一つを動かすことにもひーひー言ってるのが毎日なわけで。小さなことを積み上げるのがもちろん大事だけど、その先にある大きな絵がだんだんぼやけていくのはいかん。大きな絵にも毎日向き合って、修正して、手を加え、ということを日常生活に組み込みたいと思った。

で、「勉強」を続けることを決めたのだ。なるべく毎日の業務と関係ないことがいい。なるべくマニアック且つ高邁ですぐには役に立たなそうなものがいい。実用的というよりは知的興奮を感じられるものがいい。と、考えた結果、大学院の授業で最も鳥肌立ち率が高かった社会学系のテーマに絞ることに。

竹内洋さんという学者さんが言っていた。社会学の面白さは「公式的見解や表明の背後にある構造が見通され『ものごとは見かけ通りではない』として現実感が一変する知的興奮にある」と。そこからふーんなるほどね、で終わるのでなく、懐疑的になったり、皮肉っぽくなってしまうのではなく、もっと素敵な未来の可能性を探るヒントを得たい。社会の現実をクールに見つつもちゃんとその社会のなかでもがく、あがく、暴れる。それが大事だと思うのです。

ある人が社会学的理解は、人間の営みを「社会的カーニバルと見る喜劇の感覚」だと言った。そこにあるのは悲嘆や諦めではない。人生は一幕の劇に過ぎない、というぐらいの達観。よくよく考えてみると毎日くだらないことにあたふたしている私ってば笑っちゃうわ、というヘラヘラした感じ。それでも一生懸命、社会をより良くするために身を尽くそう、という覚悟。と、同時にとりあえず好きな人と好きなご飯食べれて幸せ!みたいな瑣末なことに胸いっぱいになっちゃう自分を愛おしいと思う素直さ。

内田樹さんがどこかで、高邁な哲学的内省を継続する為には深い深い思考のプロセスが閾値を超えたところで「ま、そんなこと考えてもらちがあかないから、もういいや、ラーメンでも食おう」という日常的なリアリティへの帰還が肝要だ、と力説していた。あのデカルトにもラーメン的帰還先があったらしい。曰く、「第一の格率は、私の国の法律と習慣とに服従し、神の恩寵により幼児から教え込まれた宗教をしっかりと持ち続け、他のすべてのことでは、私が共にいきてゆかねばならぬ人々のうちの最も分別ある人々が、普通に実生活においてとっているところの、最も穏健な、極端からは遠い意見に従って、自分を導く、ということであった」

あのデカルトも答えの出ない哲学的難問は目の前にぶら下げつつ、とりあえず今日のところは普通の人の普通の感覚に従おうとしていたのだ。

能力も無いのに世の中の難問をうんうん考えてどたばた走り回ってる私も十分喜劇だけれど一幕のカーニバルなら思いっきり笑える感じに仕上がれば宜しい。閾値を超える前に早々ラーメンに帰還しがちではありますが、知的修養を積んでいきたいと思います。役に立たなそうなオススメ社会学名著、教えて下さい!
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by nanacorico0706 | 2011-10-15 22:40 | 勉強
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2年間の米国留学生活をゆるゆると綴ります・・・
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