日本のお母さんとお母さん予備軍を元気にしよう!というプロジェクトを立ち上げようとしている。
少子化という社会全体が直面している大きな変化に対して財団としてどういうアクションを取るべきか?という議論の延長で始まったプロジェクト。
母になる予定などさらさら無い感じで今月30歳を迎えた私ですが一応「予備軍」ではあるのでなんだか他人事ではない気持ちで取り組んでいる。
プロジェクトを始めると、とたんに世間のママたちやママにまつわるいろんな問題に敏感になるもの。
今日知った衝撃のニュースは
コレ。
先日googleの幹部からYahooのCEOに就任したMarissa Mayerがもうすぐお母さんなのだそうです!wow!
テック系の大手会社では史上最年少の女性CEO。そしてCEO就任時に妊娠していた、というのももちろん初めて。
面接でそのことをYahoo幹部に告げた時も特にイシューにはならず、好意的だったとか。すごい。
とはいえ、ステキ!と手放しで喜べないのはやっぱり初めてお母さんになるという人生の一大時に世界トップ企業を苦境から救うというこれまた超難題に挑むって・・・並大抵のことではない。大丈夫なのかしら・・・と思ってしまうのが正直なところ。
このニュースが飛び出すちょっと前にちょうど「
Why Women Still Can’t Have It All」(なぜ女性はキャリアも家庭も両方手に入れることはできないか)という記事が話題になっていたそう。アメリカ国務省でNo2を務めていた女性が10代の息子2人との時間を優先する為に退職、政府要職に就きつつ家族を大切にするのは無理、という赤裸々な告白をしたもの。
60年代以降の男女平等イズムの影響を受けたこの年代の女性は「男性と同等に働いて家庭も築けるのよ!」という信念を若い世代に押し付けていませんか?という問題提起、すごく的を射ていると思う。彼女の結論は「キャリアも家庭もどっちも、は出来る。ただし今のアメリカ社会では限られた職業でのみでしか出来ない」というもの。彼女はもともとプリンストン大学法学教授。大学職員というのはある意味自分でスケジュールをコントロールできる。一方で政府のキャリアや一般企業の幹部クラスとなるとそうはいかない。膨大な数の会議が知らない間にスケジュールを埋め尽くし、自分ではコントロールできないデッドラインが押し寄せる。長時間、無休で労働しないと要職に就けない、という今の働き方システムを変えない限り、どんなに旦那さまが協力的でも、産休・育休システムが有っても、やっぱり難しいのだ。
商社に勤めていたときに総合職第一号、みたいなすごい先輩が女性社員にワークライフバランスを語る、みたいな会があって、「子供産んで2カ月で復帰、お昼休みのたびに搾乳して凍らしておいて、深夜まで仕事、タクシーで帰宅、凍らしておいたお乳をベビーシッターさんに預けてまた早朝出勤なんて時期も・・・」的な話をして若手女性社員がドン引きしてたこともあった。
気合で乗り切った時代の女性たちは本当に尊敬に値するのだけど、やはりそれでは尋常じゃない気合をもったほんの一握りの人だけが「キャリアも家庭も」を実現する社会のままだ。
久し振りに再会した商社時代の同期は会社で長く頑張ることを考えると妊娠してるから、とは言えず産休入るまで毎日深夜2時3時、みたいな生活だったとか。心配しすぎて旦那が気を病むほどで、それでも休めない、それでも休まない私って母性が足りないのでは。。。なんて思いつめたりもしたとか。なんじゃそりゃー!!
ワークライフバランス!とかって今まで美しい話や一握りのスーパーウーマンロールモデルだけ取り上げられてないでしょうか?ちゃんと国務省を退職したこの女性のように「両立なんて無理です」と告白してくれる人、大事なんじゃないかな。「このままじゃ無理」を共有した上でクリエイティブな解決策をみんなで考える場を作りたい。
お母さんを応援するプロジェクト。なかなか簡単ではない。現代の女性には「少子化なんだから子ども産みなさいよ」というプレッシャーと「女性だって一生懸命働きなさいよ」というプレッシャーが双肩にずしりとのしかかっている。でも、どちらの期待も満たせるような環境が作れればもっと楽しいはず。
Yahoo新CEOは37歳女性でママ。若い世代のロールモデルに、なんて余計な重圧を押しつけられて気の毒な気もするがやはり注目してしまうし、応援したくなっちゃう。今後が楽しみです!