TEDのプレゼンテーション、今まで見た中で中で一番ビックリ楽しい!だったのはこれ。
ルイス・フォン・アーン 「ネットを使った大規模共同作業」
よくネットで買い物する時とかに出てくる時に出てくるセキュリティチェックの為の「ぐにゃぐにゃ文字」、すっかりおなじみになったけど、実はこれ、古文書を電子化して保存するのに役立っている!
コンピューターでは読み込めず、人間の目でしか識別できないような文字を読ませる、という機能を利用してコンピューターが認知できない傷んだ古文書の文字を少しずつたくさんの人の入力を通じて、電子化していく。
毎日2億回、50万時間が費やされるこのイライラ入力作業が実は社会に貢献していたのだ。
これからはイライラせずに頑張ろう。
この技術をを発明したエンジニアが膨大な時間の集合体を何か社会に役立てられないか、と発想して出来た。
こういうのをイノベーティブな発想、というのだな、と目から鱗なのでした。
インターネットのお陰でこういう世界中に分散したものすごい数の時間やおカネや労力を集合化できるようになってきた現代。
莫大な数の顧客を抱えるBtoCの企業が果たせる新たな社会的役割の鍵がここにあるのでは、と思っている。
今年5月に開催した
未来を変えるデザイン展の出展企業との会話でも何度もそう感じた。
1億人以上のユーザーを抱えるゲーム会社。毎日10秒でも1億人のユーザーが社会課題の解決に時間を費やしたら世界は変わる!と説く人もいる。
1億人のユーザーの1%でも社会課題に対しての署名運動に参加すると100万人の市民の声が集まることになる。
車に搭載されたナビゲーションシステムがネットワーク化されている時代。
何万台という車が近隣で自分の車の位置情報を公開して移動困難者をピックアップ出来るシステムがあってはどうか。
ドライバーが走行中に気付いた交通インフラの劣化ポイントをきづいた時点でデータ発信して自治体にアクションを求めることも出来るかもしれない。ついでにETCでインフラ改善の為の寄付までできたら面白いのでは、なんて妄想も飛び出した。
日本と世界の未来を変えるビジネス。
何度も何度も議論する中で見えた一つの共通項は中央集権型から自立分散型へ。
一つの企業対マスとしての消費者、という図式はもう成り立たないんじゃないか、ということ。
消費者同士がサービスを提供しあったり、企業をハブとした消費者のコミュニティが出来あがったり、そのコミュニティでムーブメントが起きたり、そういうことが普通になっていく。
これからのCSRは利益の1%寄付すればよい、ということではない。
ステークホルダーに「配慮」して事業をします、ということでもない。
課題解決のフラッグシップとなってステークホルダーを巻き込み、社会をより良くするために消費者のライフスタイルや価値観さえも変えるようなイノベーションを提供することなのではないだろうか。
途方もない数の消費者、つまり「市民」にリーチ出来ると言うこと、その社会的な価値にレバレッジをかけることが、多額の寄付よりも大きなインパクトになると思うのだ。
言うは易し。ぶつけたアイディアは共感さえされなかった。
まだまだまだまだまだまだ力不足なり。