旅の途中



Walmart Paradox


昨年の10月に出席したNet Impactのカンファレンスのセッションの一つで面白い話を聞いた。
BBMGというマーケティング会社が行った2009年の消費者意識調査によると、2000人のアメリカ人に「米国で最も社会的、環境的企業責任を果たしている会社は?」という質問のトップ1位、ワースト1位、どちらもWalmartだったとのこと。
Walmartパラドックス。






Walmartは大手のリテーラーでは群を抜いて環境配慮型の企業への転身に積極的。
公式に店舗で使用するエネルギーの100%リニューアブル化(風力や太陽電池等)、店舗での廃棄物ゼロ化を宣言。
60,000に上る全てのサプライヤ―にサスティナビリティ基準の課す等、かなりドラスティックに改革を進めている。

Wamartみたいな巨大リテーラーが改革に乗り出すと規模が規模だけにちょっとのことでインパクトも大きい。
リニューアブルエナジーへの切り替えで今後Walmartは年間139,000トンのCO2を削減するとか。これは25,000台の自動車が年間に排出するCO2量に等しい。
すごい!Walmart偉い!
と思ったりするわけだが、一方で彼らは2011年度だけで世界中に3百万㎡の新規店舗を開設する計画を発表している。
そのほとんどが南米や中国を中心とした途上国。
環境負荷を大幅に減らす一方で、毎年森を切り開いて巨大な店舗を立て続けたとすると、両者をネットした環境への影響って本当に減ってるのだろうか?

という疑問が湧いてきて、カンファレンスに来ていたWalmartのCSR担当者に疑問をぶつけてみた。
「いやー、我々もNGOじゃないんでねぇ。毎年成長しなきゃ企業として成り立たないでしょ。」と。
うーん。そうなんですけどね・・・。
それでも、毎年3百万平方メートルも事業拡大し続けなきゃ成り立たないビジネスって本当にヘルシーなんだろうか?
世界中にWalmartの巨大なスーパーがぼこぼこ立ち続ける。その全ての店舗が100%リニューアブルエナジー、100%リサイクル・・・・
一見素晴らしいが、これが本当に理想的なサステナブルビジネスなんだろうか?
店舗の建設による環境破壊は?海外から大量に持ち込まれる商品の輸送に伴うCO2は?ローカルの小売企業への影響は?

Walmartパラドックス、納得。
こういった巨大企業の環境戦略はどれも多かれ少なかれ同じパラドックスを内包しているように思う。

別のセッションに参加していたスピーカー曰く、「Walmartが最もサステナブルな企業とは思わない。が、少なくとも彼らは以前より'less harmful’になっている。正しい方向に向かっていることは確か。」
歯切れの悪い意見ではあるけれど、これが正論なのかな。

少なくとも、WalmartはNGOや政府や環境運動家とも連携をしながらこのプロジェクトを進めていて、そういった垣根を越えていく過程でもっと本質的な企業文化の変化が起こってくるのではないかとも思ったりする。
パラドックスはしばしそのままに、今後もWalmartのサスティナビリティ戦略に注目したい。
来学期からはGreen Business Managementという授業でより深くこのテーマにも取り組む予定。

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by nanacorico0706 | 2010-01-07 08:50 | 勉強
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2年間の米国留学生活をゆるゆると綴ります・・・
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