旅の途中



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無事着きました!

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昨夜というか今朝2時ごろ、無事にパキスタンはカラチに到着しました!
成田→北京→イスラマバード→カラチと日本人は減り続け、カラチに降り立った日本人は私一人。
無事の着陸をアラーに感謝する音楽が流れる民族衣装一色の機内で、一人おみやげに買ったお煎餅の袋を提げてる私・・・。異様。

アメリカに行く時もそうだったけど、ずっと願っていた環境がいざ実現すると、あれ?なんで私こんなところにいるんだっけ?という感覚に襲われることがある。妄想していた時よりずっと現実感のない現実。行動が先走り過ぎて思考がついていかないのかしら??

入国審査を済ませて荷物を取りに行くも、待てど暮らせど来ない。なんと東京で積んだ荷物が全て行方不明とのこと。すごい剣幕で怒るパキスタンの父ちゃん母ちゃん達@夜中3時。何やら受取証のようなものをもらい、仕方なく手荷物だけ持って予約していたゲストハウスへ。

小さなゲストハウスながら、穏やかな笑顔とオレンジジュースで迎えてくれたスタッフに感謝。疲れがマックスだけど、荷物が心配。マラリアの薬も3カ月分のバファリンも、コンタクトも入ってる・・・着替えも全部あっちだ・・・歯ブラシも無い・・・と寝る準備さえも滞る。が、とりあえずシャワー浴びて寝よう、と決意するもシャワールームで巨大ゴキちゃんに遭遇。ひいいいいいい。もう戦う勇気とパワーは残されていないので、そーっとドアを閉め、顔も洗わずにベッドへ。

朝起きて朝食に降りるとパキスタン航空から荷物が届いた!と連絡があったとのこと。良かった~。頭痛も忘れて早速タクシーに乗って空港へ取りに行く。昨日は真っ暗で見えなかった町の様子を窓に張り付いて観察。これまで東南アジアはかなり旅したけど、もっとも印象的な違いは国で一番の大都市なのに全くと言っていいほど外国人がいない!いや、見分けがついていないだけかもしれないけど、とにかく西洋人は一人もみなかった。

男性は皆イスラムの白い伝統衣装、女性も肌を全て覆う鮮やかな衣装かブルカを着ている。白い壁の家々、線路わきのスラム、車の窓をたたく物乞いの親子、店先でチャイを飲むあごひげ豊かなおじちゃん達。ようやくパキスタンに来た、という実感が湧いてくる。今日から3カ月弱、どんな経験や出会いが待ち受けているだろうか。自分の中で何が変わって何が変わらないのか。貴重な経験となることは間違いない。思いっきり楽しんでいこうと思います!
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by nanacorico0706 | 2010-05-29 20:52 | パキスタン

グローバリゼーションは跳ねる


ようやく今学期も終了!留学生活も折り返し地点、あと1年!
卒業後どうすんだ?と考え始めると不安もあるけれど、毎日知的興奮に溢れた学生生活と言うのは本当にかけがえない。学ぶことの何がそんなに楽しいのか、と立ち止まって考えてみると、既成のものの見方ががらがらと崩れる瞬間のあの快感だと思う。景色ががらりと変わるあの瞬間。

本当のソーシャルチェンジは人々の世界観が変わる時に起こるとすると、社会科学の果たす役割って実はとても大きい。人の世界観を変えるのは直接の経験だけでなく書物や伝達の場合も多いのだから。

そういう意味でへええ~ととても気持ちのいい見方を変える体験をさせてくれた論文がJames Fergusonの'Seeing Like a Oil Company'.

グローバリゼーション、というとどんなイメージを抱くだろうか?国境を越えたモノ・ヒト・カネ・情報の移動の加速・増大。多国籍企業の発達と経済の相互依存性の高まり。結果として、国家という単位の希薄化、政治・経済・文化の均一化、標準化が進む。今や大半の途上国で携帯が普及しているし、コーラが飲めるし、ハリウッド映画が見れる。企業はどんどん海外に進出し、アマゾンの山奥にまで海外資本が資金を投げ入れる。

文化人類学者のJames Scott曰く、「大規模な資本主義は均一化、画一化、単一化の主体である。今日、グローバル資本主義は最も強力な同質化の推進力となっている。」グローバリゼーションと聞くと、こういった文化・経済活動がアメーバのように国境の垣根を越えてすみずみまで均質化していくイメージが一般的ではないだろうか?

Fergusonの論文はこの既成概念に疑問を投げかける。彼は、現代の資本主義において、資本は「Flow(流れる)」のではなくむしろ「Hop(跳ねる)」、と説く。この空間イメージを鮮やかに描く例がアフリカの最貧困国アンゴラにおける石油採掘プロジェクト。アンゴラは豊富な天然資源のお陰で世界有数の石油輸出国だが、実際には採掘地はアンゴラ本土から遠く離れた海上に有り、多国籍企業の私設警察に厳重に守られてアンゴラ人は殆ど接触していない。現地で雇われている人はごく少数で、働いている人はヘリで採掘地に出勤、アンゴラ本土を完全にバイパスしている。石油の輸出で政府は年間5000億円の収入を得ているが、公共政策には活用されていない。

グローバル資本は投資先のアンゴラを均質化するどころか、オイルの眠る海上の一点目がけて飛び込み、本土には一切その恩恵は及ばない。グローバル資本は流れない、跳ねる。結果、上空を飛びこされた地上の人々にはその資本も経済活動も一切接触しない。

興味深い対比はグローバル化がもてはやされるはるか昔、植民地時代のアフリカの天然資源開発の様子。植民地会社は植民先に大規模な町を形成し、住居、学校、病院なども建設、現地の住人を巻き込んで大規模な採掘事業を推進していた。結果的にこういった企業の進出は西欧文化、経済システムなどの移転に繋がり、近代化の橋頭堡となっていく。要するに、植民地政策の方がよっぽど均質化を伴っていたということ。

「グローバル資本主義はアフリカを見捨てたわけでも、グローバリゼーションの均質化・同質化の威力で席巻したわけでもない。むしろ、資本は『役に立たないアフリカ』を飛び越し、天然資源の豊富な一点にのみ舞い降りる。結果として、国家という枠組みの均質化は起こらず、代わりに、枠組みから排除された広大な大陸がグローバル経済から取り残される」

グローバリゼーションのもたらす同質化に警鐘を鳴らす論説は多いけどそもそも同質化ってホント?というところをえぐっているのが面白い。同質化が良いとか悪いとかの価値判断ではなく、既成のイメージに違う角度から見るとこうも見えますよ、と提言している、うなる。

改めて、社会科学における学問の価値というのは知っていることではなく、本質を嗅ぎつけること、見極めることなのだと実感。同じ事実を切り取っても違う景色が見える。今学期イチの「ah hah!」な論文でした!
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by nanacorico0706 | 2010-05-09 06:44 | 勉強


2年間の米国留学生活をゆるゆると綴ります・・・
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