旅の途中



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地図ではなくてコンパスを持て

セクターを超えたプラットフォームを作ろうとこの数か月画策してきた。
社会をよくする為の素晴らしい活動はたくさん点在しているけれど一つ一つが小さく完結していて、社会の仕組みを変えたり、社会通念をひっくり返すまでの大きなムーブメントになってない。
企業、NPO、行政、そして市民一人一人も巻き込んで何か一つの社会課題の解決に向かってアクションを起こしていくようなプラットフォームを作ろうという実験。

3年間のスケジュール、全体スキーム、推進体制をばっちり書いた企画書を作ったら、こういう仕事のやり方はいかん、とはねられた。
きれいな絵を描く前にまずは人を集めて対話をせよ、と。
そうだよね、と思って、むしろ企画書をはねられたことにほっとした。

誰かが用意した船に何も考えずに乗っかっていれば安泰、というマインドセットを変えたい。
多様な人と対話しながらそれぞれがどうやったら素敵な船を作れるか、というところから主体的に係るような仕組みを作っていかなければ。
そのためには完璧に美しい計画書を作ってそれ通りに実行していく、というのはもはや無理。
予測不能な自立的な動きが無数に発生して絡み合って、最終的にどんな形を形成していくのか分からない、ということを覚悟した上で飛び込まなきゃいけないのだろう。
そんなことをうっすら考えていたら友人が伊藤JOIさんのインタビューを紹介してくれた。
昨年ボストンでお話を聞いてからすっかりJOIさんのファン。
このインタビューもビシビシきてしまったのです。

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〇地図ではなくてコンパスを持て
「不確実性の時代では地図を一生懸命描くよりも、どう動くかというコンパスを持っているほうが重要。つまり判断基準。」
いろんなことがものすごい早さで変化する時代。こうしてこうするとこうなる、みたいなロードマップは描けない。こっちの方向だよね、というところをみんなで確認をしてあとはコンパスを手にまずは海にでてみるしかないのだろう。JOIさん曰く、「4~5年のロードマップを持っているような会社が全部今、競争力を失っている」。

〇参加型のコミュニティ
「きれいにしてから渡すのではなくて、ラフコンセンサス・ランニングコードのプロセスにお客さんを巻き込んでいく。僕が『スポンサー』から『メンバー』に名前を変えたのは、『みんな一緒に作るんだよ』というコミュニティを作らなければいけないかなと思っていたから。そういう意味でコミュニティは今すごく重要なキーワード」

完成された船に乗るだけでは係るそれぞれのプレイヤーの認識は変わらない。行動も変わらない。その結果システムも変わっていかない。進む方向だけはラフなコンセンサスを形成して、あとは走りながらみんなで一緒に作っていく。プロセスに遊びがあり、自由なスペースがあり、ルールが緩いからこそイノベーティブなアイディアが生まれやすくなっていくはず。

〇常識を疑う、専門家を疑う。
「基本的には今の体制や考え方をひっくり返していかないと、創造って出ない。

「フィールドから遠い人ほど正しい答えを持ってくる。重要なのはその分野のエキスパートよりも、実はその分野じゃない人の方が革新的な答えをひらめく可能性が高いということ。・・・多様性が強いとこが勝つ。」

「けっきょく、世の中には自分がいじっちゃいけないって騙されているものがたくさんある。」

これは非常に難易度の高いこと。ただ種々雑多な人を集めればいいというもんでもないし。どうやってセレンディピティが起きるような仕掛けや環境を用意するか。非常識にならなければ。いじっちゃいけないと信じ込まされているものをまずは壊すところから始めてみたい。

〇オブジェクトではなくシステム
「自分だけで完結して考えない方がいいということ。コンパスにせよ、システムにせよ、これらの考え方を結び合わせると、自分がつくったものが単体単独でどうなのかということよりも、これがこのシステムに入ると、システムがどう変わって、システムがこのオブジェクトとどう相互作用するかの方が重要で、それはやってみないとわからない。」

「ネットワークのどこへ繋げるか、このシステムのどこに自分たちがいてどのように繋ぐとどうなるかを一生懸命考えて、自分たちをネットワークのノードとして捉えた場合、自分たちのコアスキルってなんだろう、そのネットワークのどこにいるべきで、どういう場合にどういう関係になるのかを考え抜いて、とにかく試作品を作る」

単体の組織ではなくシステム全体を捉える発想、すごく共感。社会の構造自体が根本的な変化を必要としていることはみんな分かっている。あとはシステムの中で自分や自分の組織が果たすべき役割を徹底的に考え抜いて愚直にそのノードを作りこむしかない。

〇直観を信じてカオスを楽しむ
「今の複雑な世の中では、すべてをコントロールすることは出来ない。むしろ、例えば自分で小さなものをつくって、それがいろんなものと繋がって、『きっとうまくいく』という信念とカオスの中でどうやって生活するかという哲学がインターネットには組み込まれているのだけど、アニミズムもそうじゃないかって思う。自分の身の回りをちゃんとやっていれば、自然が全体をちゃんと守ってくれると。完全に分散型でそのシステムに自分がちゃんと気持がつながっていればいいと。ほんとに素朴なアニミズムはインターネット的な構造の力に似ていると思うんです。」

「ネットワークの中の自分の位置づけ・関係性を知ることは不可能。複雑だから。従って、そこのネットワークの中で自分がどうやっていくべきかの問題はけっこう右脳的に感じるということだと思うんです。その直観を磨くとか、そういう直観をつくるのにもやっぱり経験が必要。」

ネットワークの中でどこのピースを埋めるかを徹底的に考える。が、不確実性の時代のなかでそのネットワークだって常に流動していて、いったいどこに向かってどう変化していくかなんて予測はつかない。どうするのか、というと「直観」である。自分の感覚を信じること。きっとうまくいく、という信念。カオスの中でも生きていくという覚悟。覚悟というとなんか堅いかな。もっと手放すこと、というか。あとは信じて身を任せること。しょせん自分は大きなシステムの中の一つのノードでしかないのだから、というある種の謙抑的態度。

本当に、共感し、感嘆する部分の多いインタビューでした・・・。
こんな人と一緒に仕事したら一年中鳥肌がおさまらないんだろうなー。いつか!
まだまだ面白いことがいっぱい。早く形にしたい。
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by nanacorico0706 | 2012-09-02 14:18 | つれづれ


2年間の米国留学生活をゆるゆると綴ります・・・
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